今回は、仕舞「竹生島(ちくぶしま)」の動画です。※観世流梅若

正面カメラの映像と、頭上カメラの映像の二画面でお楽しみください。

●能「竹生島」あらすじ 醍醐天皇に仕える朝臣が竹生島参詣しようとして、琵琶湖湖畔へ来ると、漁翁が海女を乗せて釣船を漕いでくるのに出会った。朝臣はこれに便船を頼む。湖畔の景色を眺めながら、やがて竹生島に着くと、漁翁に案内されて神前に参った。女人禁制と聞くこの島に女もついてきたので、不審に思い朝臣は漁翁に尋ねる。すると漁翁は、「この島に祀られている弁財天は久成如来のご生誕で、神徳あらたな天女なのだから、むしろ女性こそ参拝すべきである。」と答えて、女は社殿の扉を押しあけて御殿の中へと消えた。翁は「海の主だ」と言って波に没してしまう。 その夜、光り輝く弁財天の真のお姿が出現した。空からは花が降り、音楽が聞こえて、女神は美しい舞を舞う。そのうち、澄み渡った湖が激しく波立って、水中から龍神が現れた。龍神は金銀珠玉を朝臣に捧げ、国土を鎮める力強い舞を舞う。そして天女は御殿へ、龍神は龍宮へと去ってゆく。

●仕舞「竹生島」の謡 シテ「もとより衆生。濟度(さいど)の誓(ちかい)。」 地謡「もとより衆生。濟度(さいど)の誓(ちかい)。様々なれば。或いは天女の形を現じ。有縁の衆生の諸願を叶え。又は下界の龍神となって。国土を鎮め。誓いを表し。天女は宮中に入らせ給えば。龍神な(は)すなわち湖水に飛行して。波を蹴立て。水を返して天地に群がる大蛇の形。天地にむらがる大蛇の形は。竜宮に飛んでぞ。入りにける。」

●仕舞「竹生島」の謡 現代語訳 もともと衆生を濟度(困難から救うこと)するためには、いろいろな方便を用いるのであるから、あるときは天女の姿となって現われ出で、仏を信づる衆生の願望を叶えてやり、又ある時は海中の龍神となって、国土の安堵を守り、わが誓願を実行するのである。」と。 かくて天女として現れた方が、社殿にお入りになると、龍神は湖水に飛んでいって、波を蹴立て水を覆して勢いの盛んな、国土を守護する大蛇となって、龍宮に飛んで入ってしまった。 仕舞「竹生島」は、これまでに公開した動画の「型」で構成されています。

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