今回は、仕舞「羽衣(はごろも)」の動画です。※観世流梅若
正面カメラの映像と、頭上カメラの映像の二画面でお楽しみください。
●能「羽衣」あらすじ
駿河國三保の松原の漁夫白龍が、浦の景色を眺めていると、ふと美しい音楽を聞き上品な香りを感じた。そして松の枝に美しい衣のあるのに目を止めた。それを持って帰ろうとすると、天女に呼び止められた。それは天女の羽衣だったのだ。喜んだ白龍は衣を国の宝にすべきだと思った。白龍が衣を返さないので、天女は「羽衣がなくては天に帰ることができない」と言って嘆き悲しんだ。 白龍はこの様を見て哀れんで、「天上の舞楽を見せてくれればかえそう、しかし返したら飛び去るのではないか」と疑う。天女は「疑いは人間にあり天に偽りなし」と答え、東遊の舞曲を舞う。それは様々な宝や恵みをこの国土に施し給うようてあったが、やがてその姿は富士の高嶺をも超えて高く高く大空へと消える。
●仕舞「羽衣」の謡
シテ「東遊の。数々に。」
地謡「東遊の数々に。その名も月の。色人は。三五夜中の。空に又。満月真如の影となり。御願円満国土成就。七宝充満の宝を降らし。国土にこれを。施し給うさる程に。時移って。天の羽衣。浦風にたなびきたなびく。三保の松原浮島が雲の。愛鷹山や富士の高嶺。かすかになりて。天つ御空の。霞にまぎれて。失せにけり。」
●仕舞「羽衣」の謡 現代語訳
「こうして様々な東遊を舞い、その名の通り月のような美しい色をした天女は、十五夜の月の空に、神々として清らかな姿を示し、あらたかな御誓願をもって、国土を成就し繁栄せしめるように、種々の宝を限りなく降らして、国土にこれを施し給うのである。かくて次第に時が過ぎゆくと、天の羽衣は浦風にたなびいて、天女は三保の松原から浮島が原、愛鷹山から富士の高嶺へと、次第に高く登って行って、大空の霞に紛れて消え去ってしまった。」
仕舞「羽衣」は、これまでに公開した動画の「型」で構成されています。
●型